沖縄県 新設住宅着工統計レポート 2026-01

沖縄県の賃貸住宅市場と全住宅市場の を、公的統計データから読み解くレポートです。着工戸数の前年比・3か月移動平均・需給バランス指標を一枚のレポートに集約しているため、投資判断・賃貸経営・市場調査の基礎資料として活用できます。

このレポートでわかること
セクション内容活用シーン
A. 貸家(月次)賃貸住宅の着工動向・3か月移動平均トレンド賃貸投資・供給過多リスクの確認
B. 全住宅(月次)持家・分譲を含む市場全体の動向建設需要・景気感の把握
C. 長期トレンド(年次)着工/世帯純増倍率・全国比較(2007年〜)需給の構造的バランス判断
貸家の3か月移動平均は 上昇傾向(367〜521戸) — 底打ち後の回復継続を確認するなら Section A
全住宅も 上昇傾向(747〜988戸) — 市場全体の回復感を確認するなら Section B
年間の着工/世帯純増倍率は 1.1倍(需給均衡の目安: 1.0倍) — 長期の需給バランスを確認するなら Section C

サマリー

貸家着工戸数 319 戸 前年同月比: +19.0% / 3か月移動平均: 436.7 戸
全住宅着工戸数 650 戸 前年同月比: +24.5% / 3か月移動平均: 837.7 戸
貸家 総床面積 15,993 ㎡ 戸当たり 50.1 ㎡/戸
全住宅 総床面積 46,035 ㎡ 戸当たり 70.8 ㎡/戸

月次トレンド(3か月移動平均)

貸家: 上昇傾向(367〜521戸)

全住宅: 上昇傾向(747〜988戸)

年次トレンド(直近年実績)

2025年 着工/世帯純増倍率: 1.1倍(需給均衡の目安: 1.0倍)

2025年 貸家比率: 50.2%(前年差 −3.4pt

A

貸家着工動向(月次)

対象月2026-01
着工戸数319 戸
前年同月比+19.0%
3か月移動平均436.7 戸
前年同期比(3か月移動平均)+22.4%
貸家比率49.1%
貸家比率(3か月移動平均)51.5%
総床面積15,993 ㎡
年月着工戸数総床面積(㎡)戸当たり(㎡/戸)貸家比率3か月移動平均前年同期3か月移動平均比
2025-0227315,22555.845.1%287.7−16.5%
2025-0351032,59863.944.2%350.3+15.1%
2025-0449428,77458.247.8%425.7+22.7%
2025-0516210,47364.639.9%388.7−9.3%
2025-0630219,15563.446.9%319.3−40.1%
2025-0745323,54252.058.0%305.7−45.8%
2025-0834619,01254.942.4%367.0−28.5%
2025-0963929,60246.360.6%479.3−0.3%
2025-1054129,57154.752.3%508.7+17.6%
2025-1138423,34060.843.9%521.3+9.8%
2025-1260734,93257.561.4%510.7+22.8%
2026-0131915,99350.149.1%436.7+22.4%
3か月移動平均の推移(直近6か月): 367.0 → 479.3 → 508.7 → 521.3 → 510.7 → 436.7
直近6か月のトレンド(3か月移動平均): 上昇傾向
今月実績(319戸)は3か月移動平均を−26.9% 下回る(月次変動の大きさを示す)

分析

  • 事実(数値): 2026年1月の貸家着工は319戸(前年同月比+19.0%)、3か月移動平均は436.7戸(前年同期比+22.4%)。貸家比率49.1%に対し3か月移動平均ベースは51.5%で+2.4ポイントの乖離。単月実績は3か月移動平均を−26.9%(約117.7戸)下回る。
  • 解釈(意味): 3か月移動平均の底値は2025年7月の305.7戸。そこから2026年1月には436.7戸まで+131.0戸(+42.9%)上昇しており、回復傾向が継続している。ただし今月の単月実績は3か月移動平均を大きく下回っており、月次変動の大きさが改めて示された。
  • 確認ポイント(次月に見る指標): 3か月移動平均が再び500戸台に乗せるかどうかが次月の焦点。直近ピーク(521.3戸、2025年11月)を上回る持続的な回復となるかを確認する。

コメント

2026年1月の貸家着工は319戸で前年同月比+19.0%と引き続きプラス圏を維持しました。3か月移動平均は436.7戸(前年同期比+22.4%)と依然として回復傾向にあるものの、単月実績は3か月移動平均を−26.9%(約117戸)下回っており、月次変動の大きさが改めて示されました。底値(305.7戸、2025年7月)から+42.9%上昇しており、基調としての回復は継続しています。次月は3か月移動平均が再び500戸台に乗せるかどうかが焦点となります。中長期的には500戸超の水準を安定維持できるか、また貸家比率が3か月移動平均の51.5%を中心に推移するかが需給判断の節目となります。

B

全住宅(持家+貸家+分譲+給与)着工動向(月次)

対象月2026-01
着工戸数650 戸
前年同月比+24.5%
3か月移動平均837.7 戸
前年同期比(3か月移動平均)+17.1%
総床面積46,035 ㎡
年月全住宅着工総床面積(㎡)戸当たり(㎡/戸)前年同月比3か月移動平均前年同期比(3か月MA)
2025-0260548,35279.9−5.5%661.7−20.9%
2025-031,15596,07683.2+81.0%760.7+11.5%
2025-041,03481,15578.5+21.4%931.3+31.2%
2025-0540635,00586.2−49.5%865.0+13.1%
2025-0664449,71377.2−33.1%694.7−20.4%
2025-0778155,39770.9−18.2%610.3−32.7%
2025-0881657,88370.9+9.7%747.0−15.8%
2025-091,05572,22768.5+30.2%884.0+5.7%
2025-101,03577,81075.2+14.2%968.7+18.1%
2025-1187569,88379.9+14.2%988.3+19.5%
2025-1298874,89675.8+15.2%966.0+14.5%
2026-0165046,03570.8+24.5%837.7+17.1%

分析

  • 事実(数値): 2026年1月の全住宅着工は650戸(前年同月比+24.5%)、3か月移動平均は837.7戸(前年同期比+17.1%)。単月実績は3か月移動平均を−22.4%(約187.7戸)下回る。前年同月比は2025年8月以降6か月連続プラス。
  • 解釈(意味): 3か月移動平均の底値は2025年7月の610.3戸。そこから2026年1月には837.7戸まで+227.4戸(+37.3%)上昇しており、市場全体としての回復傾向は明確。ただし今月の単月実績は3か月移動平均を大きく下回っており、貸家同様に月次変動の影響が見られる。
  • 確認ポイント(次月に見る指標): 3か月移動平均が900〜1,000戸台での安定維持が中期的な節目。直近の高水準(988.3戸、2025年11月)との比較で来月の移動平均の方向性を確認する。

コメント

2026年1月の全住宅着工は650戸で前年同月比+24.5%となり、2025年8月から6か月連続のプラスを維持しました。3か月移動平均は837.7戸(前年同期比+17.1%)で、底値(610.3戸、2025年7月)から+37.3%上昇しており、市場全体としての回復傾向は継続しています。ただし単月実績は3か月移動平均を−22.4%(約187戸)下回っており、月次変動の大きさが引き続き見られます。次月は3か月移動平均が900戸台を回復できるかどうかが注目点です。中長期的には3か月移動平均が1,000戸台に安定して定着できるかが、市場回復の本格化を判断する節目となります。

C

貸家着工 × 需要動向 長期トレンド(年次・参考)

※ 人口・世帯数: 各年10月1日時点(住民基本台帳)。着工/世帯純増: >1 は世帯増加以上に着工あり(在庫積み上がりリスク)、<1 は着工不足(需給ひっ迫)。世帯純増≤0の年は N/A。

人口(万人)世帯数(万)世帯純増全住宅着工うち貸家総床面積(㎡)戸当たり(㎡/戸)着工/世帯純増(倍)
2007137.350.25,97210,8767,307497,95568.11.8
2008137.750.85,66612,3007,570472,57062.42.2
2009138.551.46,13311,7478,292546,68365.91.9
2010139.352.06,32410,7097,381452,28661.31.7
2011140.352.98,92411,8287,547476,51763.11.3
2012141.253.67,25712,7138,253496,61160.21.8
2013141.954.36,81216,61810,772640,89259.52.4
2014142.655.17,54115,42610,914637,71758.42.0
2015143.456.09,69916,13610,726553,98651.61.7
2016144.257.111,06716,20111,135551,68849.51.5
2017144.758.19,93916,59111,263546,46648.51.7
2018145.359.210,66716,80311,282530,02047.01.6
2019146.160.512,52815,0989,227470,07850.91.2
2020146.761.510,08310,7035,683317,12355.81.1
2021146.962.38,4559,6684,399240,27654.61.1
2022146.963.28,9199,1793,647225,54761.81.0
2023146.864.19,26610,1834,417262,92459.51.1
2024146.765.110,0279,7035,202281,33654.11.0
2025146.666.08,6459,9164,979281,13456.51.1

分析

  • 事実(数値): 2025年の全住宅着工は9,916戸に対し世帯純増は8,645世帯で、着工/世帯純増倍率は1.1倍(需給均衡の目安1.0倍を0.1倍上回る)。貸家着工は4,979戸で貸家比率は50.2%(前年差−3.4ポイント)。貸家着工のピーク(2013年10,772戸)比では46.2%の水準。
  • 解釈(意味): 倍率1.1倍はほぼ均衡圏内であり、2022年の1.0倍以降3年連続で過大供給には至っていない。ただし貸家着工はピーク比53.8%減の水準が続いており、構造的な供給縮小が倍率の安定に寄与している。貸家比率は前年(53.6%)から−3.4ポイント低下し、持家・分譲の相対的な増加が見られる。
  • 確認ポイント(次月に見る指標): 世帯純増の推移(毎年10月時点)と着工/世帯純増倍率の変化。2025年の世帯純増(8,645世帯)が縮小傾向に転じた場合、倍率の上昇リスクに注意が必要。

コメント

2025年の着工/世帯純増倍率は1.1倍で、需給均衡の目安(1.0倍)をわずかに上回りました。全住宅着工9,916戸に対して世帯純増は8,645世帯であり、過剰供給の度合いは抑制されています。貸家着工は4,979戸と2013年のピーク(10,772戸)比で46.2%の水準に留まっており、長期的な供給縮小が倍率安定の背景にあります。貸家比率は50.2%と前年から−3.4ポイント低下し、持家・分譲の比率が高まっています。今後は人口動態(世帯増加ペース)の変化が着工/世帯純増倍率の方向性を左右する構造的リスクとして注視が必要です。

全国比較(沖縄 vs 全国)

※ 指数は2020年=100。貸家比率前年差は百分率ポイント差。

総着工指数(沖縄)総着工指数(全国)貸家指数(沖縄)貸家指数(全国)貸家比率(沖縄)貸家比率(全国)貸家比率前年差(沖縄)貸家比率前年差(全国)
2007101.6130.1128.6102.667.2%29.7%−1.6%−1.4%
2008114.9134.1133.2103.861.5%29.1%−5.6%−0.6%
2009109.896.7145.992.870.6%36.1%+9.0%+7.0%
2010100.199.7129.999.568.9%37.5%−1.7%+1.4%
2011110.5102.3132.899.663.8%36.6%−5.1%−0.9%
2012118.8108.3145.2101.664.9%35.3%+1.1%−1.3%
2013155.3120.2189.5115.764.8%36.2%−0.1%+0.9%
2014144.1109.4192.093.070.8%32.0%+5.9%−4.2%
2015150.8111.5188.792.466.5%31.2%−4.3%−0.8%
2016151.4118.6195.995.368.7%30.2%+2.3%−0.9%
2017155.0118.3198.292.767.9%29.5%−0.8%−0.7%
2018157.0115.6198.592.367.1%30.1%−0.7%+0.6%
2019141.1111.0162.494.161.1%31.9%−6.0%+1.8%
2020100.0100.0100.0100.053.1%37.6%−8.0%+5.7%
202190.3105.077.493.145.5%33.3%−7.6%−4.3%
202285.8105.464.2112.539.7%40.1%−5.8%+6.8%
202395.1100.577.7112.143.4%42.0%+3.6%+1.8%
202490.797.291.5111.553.6%43.2%+10.2%+1.2%
202592.690.887.6105.950.2%43.9%−3.4%+0.7%

※ 人口・世帯数は住民基本台帳(沖縄: 10月1日時点, 全国: 1月1日時点で代用)。
読み方: 人口1万人当たり・世帯1万当たり着工戸数は、地域の人口・世帯規模の差を除いた「着工密度」を示す比較指標。数値が高いほど住宅供給圧力が強く、過剰供給リスクが高い。沖縄は2013年に世帯1万当たり305.9戸(全国185.6戸)とピークを記録したが、近年は全国との格差が大きく縮小している。

人口1万人当たり(沖縄)人口1万人当たり(全国)世帯1万当たり(沖縄)世帯1万当たり(全国)
200779.282.8216.6211.4
200889.385.6242.3215.6
200984.861.8228.6153.7
201076.963.5205.9156.8
201184.365.3223.5159.9
201290.169.2237.0168.2
2013117.176.9305.9185.6
2014108.270.1280.1167.9
2015112.671.5287.9170.1
2016112.476.2283.5179.5
2017114.676.1285.3177.5
2018115.674.5283.8172.0
2019103.371.7249.7163.8
202072.964.9174.1146.4
202165.868.2155.1152.4
202262.568.8145.2151.6
202369.365.9158.8143.3
202466.164.0149.0137.3
202567.660.1150.2127.3

分析

  • 事実(数値): 2025年の沖縄貸家指数は87.6(全国105.9)で18.3ポイントの格差。総着工指数は沖縄92.6・全国90.8とほぼ同水準。貸家比率前年差は沖縄−3.4ポイントに対し全国+0.7ポイントと方向が逆。着工密度(世帯1万当たり)は沖縄150.2戸・全国127.3戸で、沖縄のピーク(2013年305.9戸)比では49.1%の水準。
  • 解釈(意味): 全国との総着工格差はほぼ解消(92.6 vs 90.8)したが、貸家部門では沖縄の指数が全国を大きく下回っている。沖縄の貸家指数は2024年(91.5)から2025年(87.6)へ−3.9ポイント後退しており、全国(105.9)との差は2024年比でも拡大している。着工密度(世帯1万当たり150.2戸)は2024年(149.0戸)から+1.2戸とほぼ横ばい。
  • 確認ポイント(次月に見る指標): 沖縄の貸家指数(87.6)と全国(105.9)の格差推移。沖縄が100に到達するには年間5,683戸(2020年実績)を上回る水準への持続的な回復が必要。

コメント

2025年の沖縄の総着工指数は92.6と全国(90.8)とほぼ同水準ですが、貸家指数は87.6と全国(105.9)を18.3ポイント下回っています。沖縄の貸家指数は2024年の91.5から87.6へ後退しており、全国との格差は拡大しています。貸家比率前年差は沖縄−3.4ポイントに対し全国+0.7ポイントと逆方向を示しており、沖縄固有の供給縮小傾向が確認されます。着工密度(世帯1万当たり)は沖縄150.2戸・全国127.3戸で沖縄が上回るものの、ピーク(2013年305.9戸)比では49.1%の水準に留まっています。今後は空室率・賃料動向など実需指標と照合しながら、沖縄の貸家供給が持続的な回復力を取り戻せるかを評価する必要があります。