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  • 貸家3か月平均は557戸へ低下。それでも沖縄の住宅着工は前年同期を上回る|定点観測(2026年6月)

    貸家3か月平均は557戸へ低下。それでも沖縄の住宅着工は前年同期を上回る|定点観測(2026年6月)

    600戸台を維持できなかった貸家着工を、どう読めばよいのでしょうか

    沖縄で賃貸経営や収益物件の保有を考えるとき、新しい貸家がどれだけ着工されたかは、将来の募集競争を考える材料になります。

    ただし、1か月の戸数だけで、供給過多や需要の強さを決めることはできません。

    この記事では、沖縄県土木建築部 建築指導課の住宅着工統計をもとに、2026年6月の数字を確認します。

    前月までの回復が続いているのかを、単月、3か月移動平均、前年同期との比較に分けて見ていきます。

    2026年6月の貸家着工は496戸でした。4〜6月の3か月移動平均は557.3戸となり、前月の636.0戸から下がっています。

    前月に確認点とした「貸家の3か月移動平均が600戸台を保てるか」は、今回は未達でした。

    では、この低下は供給が再び弱くなったことを意味するのでしょうか。

    496戸は3か月平均を下回ったが、前年同月より194戸多い

    2026年6月の貸家着工は496戸で、前年同月の302戸から194戸増えました。前年同月比は+64.2%です。

    ただし、6月単月は4〜6月の3か月移動平均557.3戸を61.3戸、11.0%下回りました。
    前年比がプラスでも、6月に着工が集中したわけではありません。

    指標 2026年6月 比較対象
    貸家着工戸数 496戸 2025年6月は302戸
    前年同月比 +64.2% 2025年6月比
    3か月移動平均 557.3戸 2025年同時期比+74.5%
    単月と3か月移動平均の差 -61.3戸 単月は平均より-11.0%

    2025年4〜6月は、貸家着工が494戸、162戸、302戸と月ごとの振れが大きく、3か月平均は319.3戸でした。

    今年4〜6月の3か月平均は前年同期を238.0戸上回っています。単月の反動だけでなく、複数月で見ても前年より高い水準です。

    一方で、3か月平均は600戸台を維持できませんでした。

    次に、貸家だけでなく住宅市場全体が前月の確認水準へ届いたかを見ます。

    全住宅は839戸。3か月平均の1,000戸台回復は未達でした

    全住宅は、持家・貸家・分譲住宅・給与住宅を合計した戸数です。2026年6月は839戸で、前年同月の644戸を195戸、30.3%上回りました。

    4〜6月の3か月移動平均は886.0戸です。前年同期の694.7戸から27.5%上昇していますが、前月の998.7戸からは112.7戸下がりました。

    5月号では、全住宅の3か月移動平均を1,000戸以上にするには、6月に1,181戸以上の着工が必要としました。実績は839戸で、目安を342戸下回りました。

    指標 貸家 全住宅
    2026年6月の単月着工 496戸 839戸
    前年同月比 +64.2% +30.3%
    3か月移動平均 557.3戸 886.0戸
    前年同期比(3か月移動平均) +74.5% +27.5%

    貸家も全住宅も前年同期を上回っています。しかし、6月はどちらも3か月平均を下回り、4〜5月の高い水準をそのまま引き継いだわけではありません。

    複数月の基調は前年より強い一方、月ごとの着工には案件の申請時期や工事の集中による振れがあります。

    次月以降も同じ水準が続くかを確認する必要があります。

    貸家比率は59.1%。供給の比重はなお高い

    6月の全住宅839戸のうち、貸家は496戸でした。貸家比率は59.1%です。

    4〜6月の貸家比率の3か月移動平均は62.8%でした。単月では60%を下回りましたが、直近3か月では住宅着工の6割強を貸家が占めています。

    ここでいう貸家比率の高さは、すぐに空室増加を示す数字ではありません。着工は完成・募集より前の供給側の意思決定であり、市町村、間取り、家賃帯、駐車場条件までは統計から分かりません。

    ただし、同じ条件の新築が増えるエリアでは、完成後に募集競争が強まる可能性があります。県全体の比率を見た後は、自分の物件に近い供給を分けて確かめることが大切です。

    年次の需給を見るときは、世帯の増え方も重ねる

    月次の増減を読むときは、年次の世帯増加と全住宅着工も補助線になります。

    2025年の沖縄県は、全住宅着工9,916戸に対し、世帯純増は8,645世帯でした。着工・世帯純増倍率は1.1倍です。

    世帯の増加を少し上回る住宅が着工したことを示す目安ですが、県全体の倍率だけで個別物件の需給は判断できません。

    同年の貸家比率は沖縄県50.2%、全国43.9%でした。沖縄は全国より貸家の比重が高いため、県全体の供給量に加え、自分の物件と競合する新築の条件を確認する必要があります。

    世帯増加や県全体の着工は、個別エリアの空室率や賃料を直接示すものではありません。それでも、月次の着工がどの程度の供給圧力になり得るかを考える出発点になります。

    着工統計を募集や保有判断につなぐ、3つの比較

    まず、単月の前年比と3か月移動平均を分けます。6月は前年同月比が大きくプラスでも、3か月平均は前月から下がりました。

    次に、県全体の着工と自分の物件の競合供給を分けます。市町村、間取り、専有面積、駐車場、想定家賃帯が異なれば、同じ貸家着工でも影響は同じではありません。

    最後に、新築供給と既存物件の競争力を分けます。近隣の募集件数、募集賃料、共益費、初期費用、設備、入居可能時期を並べると、値下げ以外に整えられる条件が見えやすくなります。

    2026年6月の県全体の数字だけでは、特定の物件に空室リスクが生じたとは判断できません。けれども、同条件の新築予定や募集物件を月次で追う理由は明確になります。

    競合供給を比べる順番は、エリア・間取り・駐車場です

    県全体の貸家着工が増えたときは、最初に「どの新築が自分の物件と競合するか」を絞ります。市町村だけで終わらせず、実際に入居者が比較する生活圏まで確認すると、県全体の数字をそのまま当てはめずに済みます。

    次に、間取りと専有面積をそろえます。単身向けとファミリー向け、同じ間取りでも専有面積が大きく違う物件は、募集上の競合が異なるためです。

    最後に、駐車場の台数と料金を並べます。車利用が前提になりやすい地域では、家賃だけでなく駐車場条件が比較の入口になることがあります。

    比べる順番 そろえる条件 確認する材料
    1. エリア 市町村・生活圏 新築予定、完成予定、同条件の募集件数
    2. 間取り 間取り・専有面積 想定する入居者、募集賃料、設備
    3. 駐車場 台数・料金 空きの有無、追加料金、募集条件

    この3条件をそろえた後に、新築予定・完成予定の物件と、現在募集中の物件を横並びにします。募集賃料だけでなく、共益費、初期費用、設備、入居可能時期まで見ると、値下げ以外に見直せる競争条件を整理できます。

    同条件の新築供給が増え、募集条件も近い場合は、競争が強まる可能性を早めに確認します。反対に、県全体の着工が増えていても、自分の物件と同条件の供給が見当たらなければ、県全体の数字だけで賃料や募集条件を変える根拠にはなりません。

    次月に確認したいのは、600戸台への復帰と全住宅の持続性

    今回の貸家3か月移動平均は557.3戸でした。次月は、これが再び600戸台へ戻るのか、500戸台にとどまるのかを確認します。

    全住宅の3か月移動平均は886.0戸で、1,000戸台への回復は未達でした。7月の単月着工が加わったとき、前年同期比のプラスが維持されるかも確認点です。

    2026年6月は、前年同期より高い供給水準を保ちながら、4〜5月の勢いは一服した月と読めます。

    着工増を安心材料や警戒材料のどちらか一方に寄せず、3か月平均、競合エリア、実際の募集条件を重ねてみると、自分の物件で確認すべきことを整理しやすくなります。

     

    ※出典:沖縄県土木建築部 建築指導課「住宅着工統計(月次)」、対象:2026年6月。国土交通省「建築着工統計調査 住宅着工統計」(e-Stat 統計コード:00600120)。e-Stat「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数調査」、沖縄県・2025年。

  • 沖縄住宅着工2026年4月|貸家平均628戸、全住宅は1,000戸台目前

    沖縄住宅着工2026年4月|貸家平均628戸、全住宅は1,000戸台目前

    沖縄の住宅着工は回復が続いているのでしょうか?

    2026年4月の沖縄県新設住宅着工統計では、貸家の回復がもう一段進みました。

    一方で、全住宅の単月は前年同月を下回っています。
    数字の見方を間違えると、市場全体が強いのか弱いのか判断しにくい月です。

    まず結論から。貸家は強く、全体はあと一歩です

    2026年4月の沖縄県の住宅着工は、貸家の供給回復が目立つ月になりました。

    前月のレポートで注目していた2指標の結果を先にお伝えします。

    ① 貸家の3か月移動平均:536.0戸から628.0戸へ増加し、500戸台維持どころか600戸台まで上昇しました。

    ② 全住宅の3か月移動平均:914.0戸から997.7戸へ増加し、900戸台は維持しました。
    ただし、1,000戸台にはあと2.3戸届いていません。

    単月では、貸家着工が595戸、前年同月比+20.4%。全住宅着工は901戸、前年同月比-12.9%でした。
    つまり、4月は「貸家は強いが、市場全体の本格回復は確認待ち」と見るのが自然です。

    なぜ貸家の600戸台回復が重要なのでしょうか?

    貸家の着工戸数は、将来の賃貸供給量を読むための先行指標です。
    供給が増えれば、数か月から数年後の空室率や家賃競争に影響します。

    2026年4月の貸家着工は595戸でした。
    単月では3月の732戸を下回りましたが、3か月移動平均は628.0戸まで上がっています。

    貸家の主要指標

    指標 値
    対象月 2026-04
    貸家着工戸数 595戸
    総床面積 29,895㎡(戸当たり50.2㎡/戸)
    貸家比率(全住宅比) 66.0%(3か月移動平均63.0%)
    3か月移動平均 628.0戸(前年同期比+47.5%)
    前年同月比 +20.4%

    ではなぜ、600戸台が大事なのでしょうか。

    3か月移動平均(直近3か月の平均)は、単月のブレをならして基調を見る指標です。
    2026年1月は436.7戸でしたが、4月には628.0戸まで上がりました。

    これは、賃貸住宅の供給が一時的な停滞から抜け、回復の厚みが増してきたことを示します。
    ただし、供給増は将来の競合増にもつながるため、オーナーや投資家は競争環境の変化として見る必要があります。

    直近12か月の貸家着工戸数

    月ごとの振れが大きいため、単月だけでなく3か月移動平均で見ることが重要です。

    年月 着工戸数 総床面積(㎡) 戸当たり(㎡/戸) 貸家比率 3か月移動平均 前年同期3か月移動平均比
    2025-05 162 10,473 64.6 39.9% 388.7 -9.3%
    2025-06 302 19,155 63.4 46.9% 319.3 -40.1%
    2025-07 453 23,542 52.0 58.0% 305.7 -45.8%
    2025-08 346 19,012 54.9 42.4% 367.0 -28.5%
    2025-09 639 29,602 46.3 60.6% 479.3 -0.3%
    2025-10 541 29,571 54.7 52.3% 508.7 +17.6%
    2025-11 384 23,340 60.8 43.9% 521.3 +9.8%
    2025-12 607 34,932 57.5 61.4% 510.7 +22.8%
    2026-01 319 15,993 50.1 49.1% 436.7 +22.4%
    2026-02 557 33,094 59.4 60.9% 494.3 +71.8%
    2026-03 732 48,076 65.7 62.2% 536.0 +53.0%
    2026-04 595 29,895 50.2 66.0% 628.0 +47.5%

    3か月移動平均は、2026年2月の494.3戸、3月の536.0戸、4月の628.0戸と連続して改善しました。

    貸家比率も単月で66.0%となり、4月の住宅着工では賃貸向け供給がかなり強い位置を占めています。

    全住宅はほぼ1,000戸台。でも本格回復と言えるのでしょうか?

    全住宅は、貸家だけでなく持家や分譲も含めた市場全体の動きです。
    建設需要の強さを見るには、この指標が欠かせません。

    2026年4月の全住宅着工は901戸でした。
    前年同月比は-12.9%とマイナスですが、3か月移動平均は997.7戸まで上がりました。

    全住宅の主要指標

    指標 値
    対象月 2026-04
    全住宅着工戸数 901戸
    総床面積 59,947㎡(戸当たり66.5㎡/戸)
    3か月移動平均 997.7戸(前年同期比+7.1%)
    前年同月比 -12.9%

    つまり、平均では1,000戸台にほぼ届いた一方、単月では前年を下回っています。

    3月時点の確認ポイントだった900戸台維持は達成しました。
    しかし、1,000戸台で安定したとはまだ言い切れません。

    直近12か月の全住宅着工動向

    全住宅は3か月平均で見ると改善していますが、単月の901戸は強い数字とは言い切れません。

    年月 全住宅着工 総床面積(㎡) 戸当たり(㎡/戸) 前年同月比 3か月移動平均 前年同期比(3か月MA)
    2025-05 406 35,005 86.2 -49.5% 865.0 +13.1%
    2025-06 644 49,713 77.2 -33.1% 694.7 -20.4%
    2025-07 781 55,397 70.9 -18.2% 610.3 -32.7%
    2025-08 816 57,883 70.9 +9.7% 747.0 -15.8%
    2025-09 1,055 72,227 68.5 +30.2% 884.0 +5.7%
    2025-10 1,035 77,810 75.2 +14.2% 968.7 +18.1%
    2025-11 875 69,883 79.9 +14.2% 988.3 +19.5%
    2025-12 988 74,896 75.8 +15.2% 966.0 +14.5%
    2026-01 650 46,035 70.8 +24.5% 837.7 +17.1%
    2026-02 915 67,629 73.9 +51.2% 851.0 +28.6%
    2026-03 1,177 90,121 76.6 +1.9% 914.0 +20.2%
    2026-04 901 59,947 66.5 -12.9% 997.7 +7.1%

    2026年4月の3か月移動平均997.7戸は、1,000戸台まであとわずかです。

    ただし、単月では前年同月比-12.9%です。
    持家や分譲を含む市場全体では、貸家ほど一枚岩の回復ではない点に注意が必要です。

    長期で見ると、供給過多局面とは違う形です

    短期では貸家の回復が目立ちます。では、長期の需給バランスではどうでしょうか。

    2025年の着工/世帯純増倍率は1.1倍でした。
    これは、世帯増加に対して住宅着工がやや上回る程度です。

    過去のピーク局面のような強い供給過多とは違い、長期ではおおむね均衡圏にあります。

    長期年次トレンド

    年 人口(万人) 世帯数(万) 世帯純増 全住宅着工 うち貸家 総床面積(㎡) 戸当たり(㎡/戸) 着工/世帯純増(倍)
    2007 137.3 50.2 5,972 10,876 7,307 497,955 68.1 1.8
    2008 137.7 50.8 5,666 12,300 7,570 472,570 62.4 2.2
    2009 138.5 51.4 6,133 11,747 8,292 546,683 65.9 1.9
    2010 139.3 52.0 6,324 10,709 7,381 452,286 61.3 1.7
    2011 140.3 52.9 8,924 11,828 7,547 476,517 63.1 1.3
    2012 141.2 53.6 7,257 12,713 8,253 496,611 60.2 1.8
    2013 141.9 54.3 6,812 16,618 10,772 640,892 59.5 2.4
    2014 142.6 55.1 7,541 15,426 10,914 637,717 58.4 2.0
    2015 143.4 56.0 9,699 16,136 10,726 553,986 51.6 1.7
    2016 144.2 57.1 11,067 16,201 11,135 551,688 49.5 1.5
    2017 144.7 58.1 9,939 16,591 11,263 546,466 48.5 1.7
    2018 145.3 59.2 10,667 16,803 11,282 530,020 47.0 1.6
    2019 146.1 60.5 12,528 15,098 9,227 470,078 50.9 1.2
    2020 146.7 61.5 10,083 10,703 5,683 317,123 55.8 1.1
    2021 146.9 62.3 8,455 9,668 4,399 240,276 54.6 1.1
    2022 146.9 63.2 8,919 9,179 3,647 225,547 61.8 1.0
    2023 146.8 64.1 9,266 10,183 4,417 262,924 59.5 1.1
    2024 146.7 65.1 10,027 9,703 5,202 281,336 54.1 1.0
    2025 146.6 66.0 8,645 9,916 4,979 281,134 56.5 1.1

    2013年から2018年にかけては、着工/世帯純増倍率が高い年もありました。
    2025年の1.1倍は、それらの時期と比べると落ち着いた水準です。

    ただし、2026年4月の貸家3か月移動平均は628.0戸まで上がっています。
    短期の回復が年次の需給バランスにどう響くかは、今後の確認点です。

    全国比較では、沖縄の特徴がまだ残っています

    沖縄は全国と比べると、貸家比率が高い地域です。
    2025年も沖縄の貸家比率は50.2%、全国は43.9%でした。

    ただし、2025年の貸家指数は沖縄87.6、全国105.9です。
    貸家の回復度合いだけを見ると、沖縄は全国より弱い位置にあります。

    全国比較

    年 総着工指数(沖縄) 総着工指数(全国) 貸家指数(沖縄) 貸家指数(全国) 貸家比率(沖縄) 貸家比率(全国) 貸家比率前年差(沖縄) 貸家比率前年差(全国)
    2007 101.6 130.1 128.6 102.6 67.2% 29.7% -1.6% -1.4%
    2008 114.9 134.1 133.2 103.8 61.5% 29.1% -5.6% -0.6%
    2009 109.8 96.7 145.9 92.8 70.6% 36.1% +9.0% +7.0%
    2010 100.1 99.7 129.9 99.5 68.9% 37.5% -1.7% +1.4%
    2011 110.5 102.3 132.8 99.6 63.8% 36.6% -5.1% -0.9%
    2012 118.8 108.3 145.2 101.6 64.9% 35.3% +1.1% -1.3%
    2013 155.3 120.2 189.5 115.7 64.8% 36.2% -0.1% +0.9%
    2014 144.1 109.4 192.0 93.0 70.8% 32.0% +5.9% -4.2%
    2015 150.8 111.5 188.7 92.4 66.5% 31.2% -4.3% -0.8%
    2016 151.4 118.6 195.9 95.3 68.7% 30.2% +2.3% -0.9%
    2017 155.0 118.3 198.2 92.7 67.9% 29.5% -0.8% -0.7%
    2018 157.0 115.6 198.5 92.3 67.1% 30.1% -0.7% +0.6%
    2019 141.1 111.0 162.4 94.1 61.1% 31.9% -6.0% +1.8%
    2020 100.0 100.0 100.0 100.0 53.1% 37.6% -8.0% +5.7%
    2021 90.3 105.0 77.4 93.1 45.5% 33.3% -7.6% -4.3%
    2022 85.8 105.4 64.2 112.5 39.7% 40.1% -5.8% +6.8%
    2023 95.1 100.5 77.7 112.1 43.4% 42.0% +3.6% +1.8%
    2024 90.7 97.2 91.5 111.5 53.6% 43.2% +10.2% +1.2%
    2025 92.6 90.8 87.6 105.9 50.2% 43.9% -3.4% +0.7%

    沖縄は貸家比率が全国より高い一方、2025年は前年差で低下しています。全国とは少し違う動きになっています。

    着工密度の比較

    年 人口1万人当たり(沖縄) 人口1万人当たり(全国) 世帯1万当たり(沖縄) 世帯1万当たり(全国)
    2007 79.2 82.8 216.6 211.4
    2008 89.3 85.6 242.3 215.6
    2009 84.8 61.8 228.6 153.7
    2010 76.9 63.5 205.9 156.8
    2011 84.3 65.3 223.5 159.9
    2012 90.1 69.2 237.0 168.2
    2013 117.1 76.9 305.9 185.6
    2014 108.2 70.1 280.1 167.9
    2015 112.6 71.5 287.9 170.1
    2016 112.4 76.2 283.5 179.5
    2017 114.6 76.1 285.3 177.5
    2018 115.6 74.5 283.8 172.0
    2019 103.3 71.7 249.7 163.8
    2020 72.9 64.9 174.1 146.4
    2021 65.8 68.2 155.1 152.4
    2022 62.5 68.8 145.2 151.6
    2023 69.3 65.9 158.8 143.3
    2024 66.1 64.0 149.0 137.3
    2025 67.6 60.1 150.2 127.3

    世帯1万当たりで見ると、2025年の沖縄は150.2戸、全国は127.3戸です。
    人口・世帯規模に対しては、沖縄の供給密度はまだ高めです。

    この回復は貸家中心の回復なのでしょうか?

    2026年4月は、貸家の3か月移動平均が600戸台に乗りました。これは前向きな変化です。

    ただし、全住宅の単月は前年同月比マイナスでした。
    市場全体が全面的に強いというより、貸家が全体を押し上げている月です。

    次月に見るべきポイントは2つあります。

    ① 貸家の3か月移動平均が600戸台を維持できるか。
    ② 全住宅の3か月移動平均が1,000戸台に乗るか。

    賃貸オーナーにとっては、供給増が競合増につながるかが気になるところです。
    投資家にとっては、貸家中心の回復が実需を伴っているかを見る必要があります。

    次月の数字は、沖縄の住宅供給が本格回復へ進むのか、それとも貸家中心の一時的な押し上げなのかを判断する材料になりそうです。

    ※出典:沖縄県土木建築部 建築指導課 住宅着工統計(月次)、国土交通省 建築着工統計調査 住宅着工統計(e-Stat 統計コード: 00600120)

  • 沖縄県新設住宅着工統計レポート 2026年3月

    沖縄県新設住宅着工統計レポート 2026年3月

    沖縄の住宅着工は回復しているのでしょうか?

    2026年3月の沖縄県新設住宅着工統計では、貸家と全住宅のどちらにも回復の動きが見られました。

    特に注目したいのは、前月レポートで確認ポイントとしていた2つの移動平均です。貸家は500戸台、全住宅は900戸台を回復しました。

    まず結論から。2つの回復ラインを突破しました

    2026年3月の沖縄県の住宅着工は、短期的な供給回復を確認する月になりました。

    前月のレポートで注目していた2指標の結果を先にお伝えします。
    ① 貸家の3か月移動平均:494.3戸から536.0戸へ増加し、500戸台を回復しました。
    直近ピークだった2025年11月の521.3戸も上回っています。
    ② 全住宅の3か月移動平均:851.0戸から914.0戸へ増加し、900戸台を回復しました。
    ただし、1,000戸台まではまだ86.0戸の差があります。

    単月では、貸家着工が732戸、前年同月比+43.5%。全住宅着工は1,177戸、前年同月比+1.9%でした。

    つまり、3月は「貸家が強く戻り、全体も下支えされた月」と見ることができます。

    なぜ貸家の500戸台回復が重要なのでしょうか?

    貸家の着工戸数は、将来の賃貸供給量を読むための先行指標です。
    供給が増えれば、数か月から数年後の空室率や家賃競争に影響します。

    2026年3月の貸家着工は732戸でした。単月として強いだけでなく、3か月移動平均も536.0戸まで戻っています。

    貸家の主要指標

    指標 値
    対象月 2026-03
    貸家着工戸数 732戸
    総床面積 48,076㎡(戸当たり65.7㎡/戸)
    貸家比率(全住宅比) 62.2%(3か月移動平均57.4%)
    3か月移動平均 536.0戸(前年同期比+53.0%)
    前年同月比 +43.5%

    ではなぜ、500戸台回復が大事なのでしょうか。

    2025年7月の貸家3か月移動平均は305.7戸まで落ち込んでいました。
    そこから2026年3月には536.0戸まで戻り、底値から約75.3%上昇しています。

    これは、賃貸住宅の供給が一時的な停滞局面から抜けつつあることを示しています。
    ただし、単月の大型着工に引っ張られている面もあるため、次月以降も500戸台を維持できるかが焦点です。

    直近12か月の貸家着工戸数

    月ごとの振れが大きいため、単月だけでなく3か月移動平均で見ることが重要です。

    年月 着工戸数 総床面積(㎡) 戸当たり(㎡/戸) 貸家比率 3か月移動平均 前年同期3か月移動平均比
    2025-04 494 28,774 58.2 47.8% 425.7 +22.7%
    2025-05 162 10,473 64.6 39.9% 388.7 -9.3%
    2025-06 302 19,155 63.4 46.9% 319.3 -40.1%
    2025-07 453 23,542 52.0 58.0% 305.7 -45.8%
    2025-08 346 19,012 54.9 42.4% 367.0 -28.5%
    2025-09 639 29,602 46.3 60.6% 479.3 -0.3%
    2025-10 541 29,571 54.7 52.3% 508.7 +17.6%
    2025-11 384 23,340 60.8 43.9% 521.3 +9.8%
    2025-12 607 34,932 57.5 61.4% 510.7 +22.8%
    2026-01 319 15,993 50.1 49.1% 436.7 +22.4%
    2026-02 557 33,094 59.4 60.9% 494.3 +71.8%
    2026-03 732 48,076 65.7 62.2% 536.0 +53.0%

    3か月移動平均は、2026年1月の436.7戸から2か月連続で改善しました。
    貸家比率も単月で62.2%となり、3月は賃貸供給の存在感がかなり強い月です。

    全住宅は900戸台を回復。ただし本格回復はまだ途中です

    全住宅は、貸家だけでなく持家や分譲も含めた市場全体の動きです。
    建設需要の強さを見るには、この指標が欠かせません。

    2026年3月の全住宅着工は1,177戸でした。
    前年同月比は+1.9%と小幅ですが、3か月移動平均は914.0戸まで上がりました。

    全住宅の主要指標

    指標 値
    対象月 2026-03
    全住宅着工戸数 1,177戸
    総床面積 90,121㎡(戸当たり76.6㎡/戸)
    3か月移動平均 914.0戸(前年同期比+20.2%)
    前年同月比 +1.9%

    つまり、900戸台には戻りましたが、1,000戸台で安定する段階にはまだ届いていません。

    2025年11月の3か月移動平均は988.3戸でした。
    2026年3月の914.0戸は、そこからまだ74.3戸低い水準です。

    直近12か月の全住宅着工動向

    全住宅は2025年9月以降、前年同月比でプラスが続いています。
    回復方向は見えますが、水準の安定にはもう少し確認が必要です。

    年月 全住宅着工 総床面積(㎡) 戸当たり(㎡/戸) 前年同月比 3か月移動平均 前年同期比(3か月移動平均)
    2025-04 1,034 81,155 78.5 +21.4% 931.3 +31.2%
    2025-05 406 35,005 86.2 -49.5% 865.0 +13.1%
    2025-06 644 49,713 77.2 -33.1% 694.7 -20.4%
    2025-07 781 55,397 70.9 -18.2% 610.3 -32.7%
    2025-08 816 57,883 70.9 +9.7% 747.0 -15.8%
    2025-09 1,055 72,227 68.5 +30.2% 884.0 +5.7%
    2025-10 1,035 77,810 75.2 +14.2% 968.7 +18.1%
    2025-11 875 69,883 79.9 +14.2% 988.3 +19.5%
    2025-12 988 74,896 75.8 +15.2% 966.0 +14.5%
    2026-01 650 46,035 70.8 +24.5% 837.7 +17.1%
    2026-02 915 67,629 73.9 +51.2% 851.0 +28.6%
    2026-03 1,177 90,121 76.6 +1.9% 914.0 +20.2%

    3月単月の1,177戸は強い数字です。
    一方で、3か月平均ではまだ1,000戸台に届いていないため、次月も900戸台を維持できるかが大切です。

    長期で見ると、供給過多局面とは違う形です

    短期では回復感があります。では、長期の需給バランスではどうでしょうか。

    2025年の着工/世帯純増倍率は1.1倍でした。
    これは、世帯増加に対して住宅着工がやや上回る程度です。

    過去のピーク局面のような強い供給過多とは違い、長期ではおおむね均衡圏にあります。

    長期年次トレンド

    年 人口(万人) 世帯数(万) 世帯純増 全住宅着工 うち貸家 総床面積(㎡) 戸当たり(㎡/戸) 着工/世帯純増(倍)
    2007 137.3 50.2 5,972 10,876 7,307 497,955 68.1 1.8
    2008 137.7 50.8 5,666 12,300 7,570 472,570 62.4 2.2
    2009 138.5 51.4 6,133 11,747 8,292 546,683 65.9 1.9
    2010 139.3 52.0 6,324 10,709 7,381 452,286 61.3 1.7
    2011 140.3 52.9 8,924 11,828 7,547 476,517 63.1 1.3
    2012 141.2 53.6 7,257 12,713 8,253 496,611 60.2 1.8
    2013 141.9 54.3 6,812 16,618 10,772 640,892 59.5 2.4
    2014 142.6 55.1 7,541 15,426 10,914 637,717 58.4 2.0
    2015 143.4 56.0 9,699 16,136 10,726 553,986 51.6 1.7
    2016 144.2 57.1 11,067 16,201 11,135 551,688 49.5 1.5
    2017 144.7 58.1 9,939 16,591 11,263 546,466 48.5 1.7
    2018 145.3 59.2 10,667 16,803 11,282 530,020 47.0 1.6
    2019 146.1 60.5 12,528 15,098 9,227 470,078 50.9 1.2
    2020 146.7 61.5 10,083 10,703 5,683 317,123 55.8 1.1
    2021 146.9 62.3 8,455 9,668 4,399 240,276 54.6 1.1
    2022 146.9 63.2 8,919 9,179 3,647 225,547 61.8 1.0
    2023 146.8 64.1 9,266 10,183 4,417 262,924 59.5 1.1
    2024 146.7 65.1 10,027 9,703 5,202 281,336 54.1 1.0
    2025 146.6 66.0 8,645 9,916 4,979 281,134 56.5 1.1

    2013年から2018年にかけては、着工/世帯純増倍率が高い年もありました。
    2025年の1.1倍は、それらの時期と比べると落ち着いた水準です。

    全国比較では、沖縄の特徴がまだ残っています

    沖縄は全国と比べると、貸家比率が高い地域です。
    2025年も沖縄の貸家比率は50.2%、全国は43.9%でした。

    ただし、2025年の貸家指数は沖縄87.6、全国105.9です。
    貸家の回復度合いだけを見ると、沖縄は全国より弱い位置にあります。

    全国比較

    年 総着工指数(沖縄) 総着工指数(全国) 貸家指数(沖縄) 貸家指数(全国) 貸家比率(沖縄) 貸家比率(全国) 貸家比率前年差(沖縄) 貸家比率前年差(全国)
    2007 101.6 130.1 128.6 102.6 67.2% 29.7% -1.6% -1.4%
    2008 114.9 134.1 133.2 103.8 61.5% 29.1% -5.6% -0.6%
    2009 109.8 96.7 145.9 92.8 70.6% 36.1% +9.0% +7.0%
    2010 100.1 99.7 129.9 99.5 68.9% 37.5% -1.7% +1.4%
    2011 110.5 102.3 132.8 99.6 63.8% 36.6% -5.1% -0.9%
    2012 118.8 108.3 145.2 101.6 64.9% 35.3% +1.1% -1.3%
    2013 155.3 120.2 189.5 115.7 64.8% 36.2% -0.1% +0.9%
    2014 144.1 109.4 192.0 93.0 70.8% 32.0% +5.9% -4.2%
    2015 150.8 111.5 188.7 92.4 66.5% 31.2% -4.3% -0.8%
    2016 151.4 118.6 195.9 95.3 68.7% 30.2% +2.3% -0.9%
    2017 155.0 118.3 198.2 92.7 67.9% 29.5% -0.8% -0.7%
    2018 157.0 115.6 198.5 92.3 67.1% 30.1% -0.7% +0.6%
    2019 141.1 111.0 162.4 94.1 61.1% 31.9% -6.0% +1.8%
    2020 100.0 100.0 100.0 100.0 53.1% 37.6% -8.0% +5.7%
    2021 90.3 105.0 77.4 93.1 45.5% 33.3% -7.6% -4.3%
    2022 85.8 105.4 64.2 112.5 39.7% 40.1% -5.8% +6.8%
    2023 95.1 100.5 77.7 112.1 43.4% 42.0% +3.6% +1.8%
    2024 90.7 97.2 91.5 111.5 53.6% 43.2% +10.2% +1.2%
    2025 92.6 90.8 87.6 105.9 50.2% 43.9% -3.4% +0.7%

    沖縄は貸家比率が全国より高い一方、2025年は前年差で低下しています。全国とは少し違う動きになっています。

    着工密度の比較

    年 人口1万人当たり(沖縄) 人口1万人当たり(全国) 世帯1万当たり(沖縄) 世帯1万当たり(全国)
    2007 79.2 82.8 216.6 211.4
    2008 89.3 85.6 242.3 215.6
    2009 84.8 61.8 228.6 153.7
    2010 76.9 63.5 205.9 156.8
    2011 84.3 65.3 223.5 159.9
    2012 90.1 69.2 237.0 168.2
    2013 117.1 76.9 305.9 185.6
    2014 108.2 70.1 280.1 167.9
    2015 112.6 71.5 287.9 170.1
    2016 112.4 76.2 283.5 179.5
    2017 114.6 76.1 285.3 177.5
    2018 115.6 74.5 283.8 172.0
    2019 103.3 71.7 249.7 163.8
    2020 72.9 64.9 174.1 146.4
    2021 65.8 68.2 155.1 152.4
    2022 62.5 68.8 145.2 151.6
    2023 69.3 65.9 158.8 143.3
    2024 66.1 64.0 149.0 137.3
    2025 67.6 60.1 150.2 127.3

    世帯1万当たりで見ると、2025年の沖縄は150.2戸、全国は127.3戸です。
    人口・世帯規模に対しては、沖縄の供給密度はまだ高めです。

    この回復は本物でしょうか?

    2026年3月は、貸家も全住宅も前月の注目ラインを超えました。これは前向きな変化です。

    ただし、判断はここで終わりではありません。次月に見るべきポイントは2つあります。

    ① 貸家の3か月移動平均が500戸台を維持できるか。
    ② 全住宅の3か月移動平均が900戸台を維持し、1,000戸台との差を縮められるか。

    賃貸オーナーにとっては、供給増が競合増につながるかが気になるところです。
    投資家にとっては、回復が実需を伴っているかを見る必要があります。

    次月の数字は、この回復が一過性なのか、沖縄の住宅供給が次の局面に入ったのかを判断する材料になりそうです。

    ※出典:沖縄県土木建築部 建築指導課 住宅着工統計(月次)、国土交通省 建築着工統計調査 住宅着工統計(e-Stat 統計コード: 00600120)