築年数相応の古さは入居前の説明で伝わります
「床鳴りや建具のズレは、どこまで直すべきなのか」
築古物件をすでに所有しているオーナーにとって、築年数相応の状態をどこまで説明し、どこから修繕対応すべきかは悩みやすいテーマです。
壁紙の日焼け、古い設備の見た目、建具の動きにくさなどは、築古物件では珍しくありません。
一方で、生活に支障がある不具合や安全に関わる問題は、別に考える必要があります。
入居前に状態を分かりやすく共有できれば、入居後に「聞いていなかった」「直してもらえると思っていた」という認識違いを減らしやすくなります。
この記事では、築年数相応の状態をどう説明し、契約書や設備表とどうつなげるかを確認します。
この記事を読むことで、築年数相応の古さと、貸主対応を検討すべき不具合を分けて考えやすくなります。
築年数相応の状態は入居前に明確にします
築年数相応の状態は、入居前に写真、設備表、説明文などで明確にしておくことが大切です。
古さを隠すのではなく、現在の状態を共有したうえで契約することが、入居者との認識違いを防ぐ第一歩になります。
特に築古・低家賃物件では、賃料水準と物件状態のバランスを入居前に理解してもらうことが重要です。
なぜ古さと不具合を分ける必要があるのでしょうか?
理由は、築年数相応の古さと、修繕が必要な不具合が混同されやすいためです。
たとえば、古い建具が少し重いことと、玄関ドアが閉まらないことは同じではありません。
床が多少きしむことと、床が大きく沈む状態も同じではありません。
前者は、物件の状態として説明できる場合があります。
一方で、後者は防犯や安全、居住性に関わるため、貸主対応が必要になる可能性があります。
この区別を契約前に整理していないと、入居後に「聞いていなかった」「どこまで直してもらえるのか」という話になりやすくなります。
床鳴りや建具のズレはどう伝えるべきでしょうか?
たとえば、築古の建物で、室内建具に少し引っかかりがあるケースを考えます。
使用に大きな支障がなく、安全性にも問題がない場合は、内見時に現地で説明し、申込前の判断材料として共有します。
そのうえで、契約前には設備表やチェックシートに記載し、入居時には写真でも残しておくことで、入居後の認識違いを減らしやすくなります。
一方で、床に大きな段差がある、コンクリートのひび割れや漏水跡がある、建具が閉まらず施錠できないといった状態は注意が必要です。築年数相応という言葉だけで済ませず、募集前または内見前の段階で修繕の要否を確認することが大切です。
大切なのは、見た目の古さと、生活に支障がある不具合を分けて説明することです。
見た目の古さは内見時と契約前に共有し、生活に支障がある可能性のある不具合は、募集開始前から管理会社や施工会社と確認しておくと安心です。
状態の共有が安定運用につながります
築古物件では、古さそのものをなくすよりも、状態を正しく共有することが重要です。
共有のタイミングは、募集前の状態確認、内見時の説明、契約前の書面確認、入居時写真の保存という流れで整理しておくと、後から確認しやすくなります。
特に重要なことは、
「賃貸人は築年数を踏まえ新築同様の性能・品質まで回復させる修繕義務を負わない」という趣旨を契約書に明記にしておくことです。
入居者の生活に支障が出る部分は先に対応し、築年数相応として説明できる部分は、入居前・契約時に丁寧に伝えておくことです。
契約書、設備表、入居時写真、管理会社の説明内容がそろっていれば、貸主と入居者の認識違いを減らし、入居後の修繕対応も判断しやすくなります。
築古物件を安定して貸し続けるためにも、募集を始める前に一度、物件の状態を点検し、説明すべき内容を整理しておくことをおすすめします。
次週は、トラブルになりやすいエアコン、照明、コンロ、温水洗浄便座などの扱いを確認します。
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※参考:国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」

