コラム

変動金利1.08%、15年ぶりの水準——2026年4月 住宅ローン金利レポート

目次

住宅ローン金利、2026年4月にどう動いたの?

「変動金利がついに1%を超えた」というニュースを耳にした方も多いのではないでしょうか。

実は、フラット35も同時に急騰しています。ではなぜ、今月これほど金利が上がっているのでしょうか。

まず結論から。2026年04月の注目データ

2026年4月の金利データは、住宅ローン金利の歴史的転換点を示しました。

① フラット35最頻金利が2.49%へ上昇(前月比+0.24%pt)。
長期金利上昇を反映した動きです。

② 変動金利(3行平均)が1.08%と初めて1%台に到達。
みずほ銀行・三井住友銀行が大幅引き上げを実施し、15年ぶりの水準となりました。

③ 日銀は政策金利を0.75%で据え置き(3会合連続)。
中東情勢と原油高を見極めながら、次の判断は6月会合が焦点です。

なぜこれほど金利が上がっているのでしょうか?

フラット35が動いた理由

フラット35の金利は「機構債(住宅金融支援機構が発行する債券)」の利率に連動します。つまり、長期金利の動きをそのまま反映する仕組みです。

2026年4月、日本の10年国債利回りは2.40%台(速報値)まで上昇しました。中東情勢の緊張による原油高が債券市場にも波及し、長期金利を押し上げています。

前月(3月)の2.25%から2.40%へ。この長期金利の上昇がフラット35金利に反映されました。

変動金利の動き

変動金利は「短期プライムレート」を基準に設定されます。短期プライムレートは日銀の政策金利に連動する傾向があります。

今月、三井住友銀行が+0.10%pt、みずほ銀行が+0.25%ptの引き上げを実施。3行平均は0.965%から1.08%へ上昇しました。

ではなぜ、日銀が据え置きでも変動金利は上がるのでしょうか。2025年12月の日銀利上げの影響が、各行の金利設定に遅れて反映されている形です。

沖縄地銀の独自の動き

琉球銀行・沖縄銀行・沖縄海邦銀行の地銀3行は、短期プライムレートを2.825%で横ばい維持しています。

2026年2月の引き上げ(2.575%→2.825%)により、変動型アパートローンを利用している投資家の借入コストはすでに増加しています。直近3か月は横ばいを維持しており、さらなる上昇は現時点では確認されていません。

次の改定タイミングは、日銀の追加利上げ後(早くて6月)が見込まれます。つまり、沖縄地銀利用者への次の負担増は6月以降の話となりそうです。

数字で確認しよう。3か月の金利推移

政策金利の3か月推移

日銀の政策決定が住宅ローン・投資ローンの基準となります。この動きを押さえることが重要です。

期間 政策金利
2026年04月(当月) 0.75%
前月(2026年03月) 0.75%
前々月(2026年02月) 0.75%

3会合連続の据え置きは、日銀が利上げを急がないサインです。ただし、委員3名が利上げを主張しており、インフレ圧力が続けば6月に動く可能性があります。

住宅ローン金利の3か月推移

フラット35・変動金利・長期金利の3指標を同時に見ることで、金利上昇の構造が見えてきます。

指標 当月(2026年04月) 前月(2026年03月) 前々月(2026年02月)
フラット35最頻金利 2.49% 2.25% 2.26%
変動金利(3行平均) 1.08% 0.965% 0.79%
10年国債利回り 2.40%(速報) 2.25% 2.25%

フラット35は2月→3月→4月で2.26%→2.25%→2.49%と推移しました。変動金利は0.79%→0.965%→1.08%と急ピッチで上昇中です。固定と変動の差が縮まる中、どちらを選ぶべきか悩ましい局面です。

沖縄地銀短期プライムレートの3か月推移

沖縄の不動産投資融資の基準となる地銀短期プライムレートは、投資家にとって特に重要な指標です。

指標 当月(2026年04月) 前月(2026年03月) 前々月(2026年02月)
沖縄地銀 短期プライムレート(3行) 2.825% 2.825% 2.825%

2月に2.575%から2.825%へ引き上げられて以降、3か月間横ばいを維持しています。「横ばい=コスト影響が限定的」ではありません。水準はすでに上昇しており、今は「さらなる上昇がない」という状況です。

独自指標(金利耐性・返済上振れ耐性・出口圧力)

ValueLabが計算する3つの独自指標は、現在の金利水準が不動産投資に与えるリスクを数値化したものです。

指標 解釈
金利耐性チェック(対5年平均) 185.1(参考値・有効28件) タイト
返済上振れ耐性(金利+1%時) +17.3% 高リスク
出口圧力警戒度

変動金利1.08%は過去28か月平均(0.58%)の約1.85倍という水準です。返済上振れ耐性は+17.3%——つまり金利が1%上昇すると、月々の返済額が約17%増える計算です(元本3,000万円・35年ローンの場合)。

出口圧力は「中」ですが、フラット35が2.5%に迫ることで買い手の固定ローンコストが上昇しており、売却時の価格交渉力に影響が出始める水準です。

この金利上昇は続くのでしょうか?

今後の注目ポイントは2つです。

まず、2026年5月の10年国債利回り動向。中東情勢が落ち着けばフラット35の上昇も一服する可能性があります。一方、緊張が続けば2.5%超えも視野に入ります。

次に、2026年6月の日銀会合。4月に委員3名が利上げを主張したことで、6月の利上げ確率が注目されています。利上げが決まれば変動金利・沖縄地銀短プラのさらなる上昇に直結します。

変動金利が1%を超え、フラット35が2.5%に迫る今、あなたの借り方の設計は現在の金利水準を前提に組み直されていますか?

※出典:日本銀行「金融政策決定会合の結果について」(2026年4月28日)、住宅金融支援機構「フラット35金利情報」(2026年4月)、三菱UFJ銀行・三井住友銀行・みずほ銀行 各行住宅ローン金利ページ(2026年4月)、財務省「国債金利情報」(2026年4月中旬時点・速報値)、沖縄タイムス・琉球新報各報道

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